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なぜ近年、スクラップ運搬トレーラで欧州トラクタ(スカニア・ボルボ)が増えているのか?製作現場から見た正直な実感

2026.01.20

最近、スクラップ運搬向けトレーラの製作で「トラクタはスカニアで」「今回はボルボ前提で」といった指定が増えてきました。
一時的なブームというより、運行環境と人材事情の変化に合わせた“現場の選択”が増えている、そんな感覚です。

国産トラクタと比べると価格は高く、「なぜそこまでして欧州車を選ぶのか?」と聞かれることもあります。
この記事では、製作現場として感じている理由を、できるだけ分かりやすく整理します。

 

 
 

製作現場で感じる、ここ数年の変化

 

少し前まで、スクラップ運搬向けトレーラのトラクタ指定は国産車が中心でした。
ところがここ数年、特に長距離運行を前提とした案件では、欧州トラクタ指定が当たり前のように出てきます。

この変化は、単純な性能比較だけでは説明できません。
運送会社を取り巻く課題(稼働・拘束時間・人材)が、車両選びに反映されていると感じています。

 
スクラップを運搬するHARDOX製のトレーラー

 
 

スクラップ運搬は「長距離・高稼働」になりやすい

 

スクラップ輸送は、運行距離が長く、高速道路比率が高くなりやすい仕事です。
その分、1運行あたりの拘束時間も長くなり、車両にもドライバーにも負荷がかかります。

だからこそ、車両選びの基準が「走れるかどうか」から、
「余裕を持って走り続けられるか」へ移ってきた印象があります。

 
 

なぜ欧州トラクタが選ばれるのか(現場から見た理由)

 

製作現場として見ている限り、欧州トラクタが選ばれる理由は「見た目」や「流行」ではありません。
長距離・高稼働の条件で、差が出やすいポイントがあると感じています。

 

長距離を走ったときの“余裕”

 

重積載で高速道路を長時間走るのは、トラクタにとって楽な条件ではありません。
その中で「無理をさせている感じが少ない」「運転が楽」といった声が、欧州トラクタではよく出ます。

 
HARDOX®︎500Tufを使用したスクラップトレーラーの外観とVOLVOのトラクタ
 

キャビンの快適性が疲労に直結する

 

拘束時間が長くなりやすい仕事だからこそ、静粛性やシート、運転姿勢などの差は効いてきます。
短距離では見えにくい部分ですが、長距離になるほど「積み重ね」が大きいと感じます。
単純に数字では見えない部分がポイントとなりそうです。

 
 

近年は「人材確保」という理由が、はっきり見えてきた

 

ここ数年で特に強く感じるのが、ドライバー確保・定着を意識したトラクタ選びです。

 

「あの車に乗れるなら」という声は、実際にある

 

スカニアやボルボは、ドライバーの間でも「一度は乗ってみたい車」「乗り心地が良い車」という印象が強いと聞きます。
運送会社の方からも「求人の話題にしやすい」「面接で反応が良い」といった話が増えました。

 
SCANIA V8のステアリング
 

高級志向ではなく「人への投資」

 

これは単なる見栄ではなく、人が集まり、長く働いてもらうための仕事道具への投資という考え方だと感じています。
車両選びの基準に「人」の要素が入ってきたことは、製作現場から見ても大きな変化です。

 
 

それでも欧州トラクタが万能ではない理由

 

もちろん、欧州トラクタがすべての運行に最適というわけではありません。

 

  • 初期導入コストが高い
  • 整備体制・部品供給は地域差が出ることがある
  • 短距離・低稼働ではメリットが出にくい場合がある

 

大切なのは、車両の国籍ではなく運行条件に合っているかです。

 
 

国産と欧州の“現実的な使い分け”

 

製作現場の感覚としては、次のような使い分けが現実的だと感じています。

 

運行条件 向いている選択
長距離・高速道路中心・高稼働(+人材確保も重視) 欧州トラクタ
短距離・地域運行中心(整備性・コスト重視) 国産トラクタ

 
 

高橋ボデーとして大切にしていること

 

私たちは、トラクタありきでトレーラを考えることはしていません。

積載物、運行距離、積み下ろし方法、法規、ドライバー環境。
それらを踏まえたうえで、車両全体として無理がないかを考え、最適なトレーラを形にしていきます。

 
製作途中のHARDOX®︎製のスクラップ運搬車両

 
 

まとめ

 

スクラップ運搬で欧州トラクタが増えている背景には、単なる流行ではなく、
長距離・高稼働という運行条件、そして人材確保・定着という現実的な課題があります。

車両の国籍ではなく、「その仕事に合っているか」「長く安定して稼働できるか」。
これからも私たちは、その視点でトレーラ製作に向き合っていきます。

 
 

よくある質問

 

  • Q:欧州トラクタは国産より必ず燃費が良いのですか?

    A:運行条件によります。長距離・高速中心では差が出やすい一方、短距離や停止発進が多い運行では差が見えにくいこともあります。導入判断は「実運行」に合わせた試算がおすすめです。

  •  

  • Q:人材確保の効果は本当にありますか?

    A:地域や会社規模にもよりますが、「乗りたい車」が求人の話題になりやすい、面接での反応が良いという声は増えています。車両は“仕事道具”として、定着に影響する要素になってきています。

  •  

  • Q:結局、国産と欧州どちらがおすすめですか?

    A:長距離・高稼働・人材確保を重視するなら欧州が合いやすく、地域運行・整備性・コスト重視なら国産が合理的なことが多いです。「運行条件」と「整備体制」で決めるのが一番確実です。


 
 
 

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