Trout River Industriesとは
Trout River Industries|カナダ発、世界に広がるLive Bottomトレーラーメーカー
Trout River Industries(トラウトリバー・インダストリーズ)は、カナダ・プリンスエドワード島に本社を構える、Live Bottom Trailer(ライブボトムトレーラー)および Hycube Trailer(ハイキューブトレーラー)の専門メーカーです。
1999年に最初のトレーラーを製造して以来、カナダ国内で最大規模のLive Bottom Trailerメーカーへと成長し、現在では世界中の様々な地域でその技術と品質が活かされています。
主要拠点であるプリンスエドワード島に加え、カナダ西部、ヨーロッパ、中東、オーストラリアにも製造・流通ネットワークを展開。
そして2019年、アジア市場への進出に先駆けて、日本の髙橋ボデーとの契約が締結されました。
道路建設から産業廃棄物の運搬まで、Trout River Trailerは革新性と実用性を兼ね備えたソリューションを提供し、世界中の現場で選ばれ続けています。

Trout River Trailer
Trout River Trailer|横転リスクを低減するベルトコンベア式トレーラー
Trout River Trailerの最大の特長は、ベルトコンベアを搭載した独自の荷下ろし機構にあります。
ダンプ車両における横転リスクを根本から見直し、安全性と作業効率の両立を実現した革新的なトレーラーです。
ラインナップは用途に応じて2種類に分けられます。
Live Bottom(ライブボトム):丸型のタブ形状が特長で、アスファルト・砂利・農業原料・塩化カルシウムなど、比重が重く流動性の高い素材の運搬に適しています。
Hycube(ハイキューブ):ボックス型形状で、木材チップ・フライアッシュ・牧草など、比重が軽くて容積が必要な積載物に最適な構造です。
また、荷下ろしはベルトコンベアによる全自動方式。
ダンプアップを行わないため、横転の心配がほとんどなく、狭い現場や天井制限のある場所でも安心して使用可能です。
荷下ろし時間は最大3分以内と非常にスピーディーで、一般的なスライド式床可動システム(ウォーキングフロア)の約20分と比較しても、その速さは際立ちます。
Trout River Trailerは、生産性と安全性を飛躍的に向上させる次世代の運搬ソリューションとして、世界中の現場で導入が進んでいます。



チェーンとコンベア
Trout River Trailerに搭載されている101mmピッチのカスタムメイドチェーンは、
現在市場に出回っているチェーンの中でも最強クラスの引張強度を誇ります。
その強さは、31,750kg × 2=63,500kgと圧倒的。過酷な運搬条件下でも、確実な動力伝達と長寿命を実現しています。
さらに、コンベア部分も同様に、市販品の中で最上級クラスの耐久性を備えた仕様となっており、
日常的な負荷にも耐える設計です。
積載物を受けるクロスバーには80KSI鋼(高張力鋼)を使用。
強度と耐久性を兼ね備えつつ、チェーンとの接続はボルトオン式を採用しています。
これにより、部品の交換や保守作業も容易です。
運用コストやダウンタイムの低減にも貢献します。
優れた強度と整備性を両立した駆動系構造は、長期使用を見据えた仕様になっています。

Iビーム鋼の構造
Trout River Trailerでは、コンベア内部に高強度なIビーム鋼を組み込んでいます。
構成は、Live Bottom Trailerに3本、Hycube Trailerには5本。
このIビーム構造により、積載物の荷重をコンベア全体に効率的に分散し、
一点集中によるダメージや摩耗を抑える設計が施されています。
さらに、クロスバーとIビームの間にはUHMW(超高分子量ポリエチレン)パックを挿入。
これにより、金属同士の直接接触を防ぎ、摩耗や衝撃を最小限に抑える仕組みになっています。
長期運用を見据えたこの構造は、耐久性の向上とメンテナンス性の向上を同時に実現。
トレーラーの寿命を延ばし、安定した運用を支える重要な要素です。

逆転弁
Live Bottom Trailer には、逆転弁が標準装備されています。
これにより、積載物をトレーラー後方から排出するだけでなく、モーターを逆転させることでコンベアを逆回転させ、
荷積みや荷降ろしを高精度に制御することが可能です。
細かい位置調整が求められる現場や、慎重な搬送が必要な積載物において、
逆転機能は作業効率だけでなく、安全性の向上にも寄与します。
スピードだけでなく、制御性にも優れた搬送性能は、Trout River Trailerの大きな特長のひとつです。

チェーンオイラー
コンベア駆動において、チェーンは耐久性と信頼性を左右する重要な部品です。
Trout River Trailerでは、コンベア前方の回転軸部分にオイルブラシを設け、チェーンへの注油を自動で行う仕組みを採用しています。
注油作業は非常に簡単で、チェーンオイラーのコックを開き、コンベアを回転させるだけで注油が完了します。
潤滑状態を適切に保つことで、チェーンの寿命延長や駆動効率の維持をすることができます。
日常点検の中で手軽に行えるこの機能は、高稼働な現場でも安定した運用を支えるメンテナンス性の高さを物語っています。

丸型タブ (Live Bottom)
丸Live Bottomの大きな特徴のひとつが、独自の丸型タブ(ボデー形状)です。
この設計により、排出のスムーズさが向上するだけでなく、車両全体の重心が低くなるため、走行中の安定性と安全性も確保されています。
この丸型ボデー構造は、Trout Riverが業界に先駆けて設計・開発したもので、Live Bottom Trailerの代名詞的存在です。
さらに、この形状は積載量の最適化にも貢献し、輸送効率の向上にもつながっています。
「走行安全性」「排出性能」「積載効率」という3つの重要要素を高水準で両立させる革新的なボデー設計です。

ドゥアルドライブシステム (Hycube)
Hycube Trailerには、ドゥアルドライブシステム(Dual Drive System)を採用。
この構造により、大容量の積載物でも安定した動力伝達が可能となり、
スピーディーかつパワフルな排出性能を実現しています。
木材チップやフライアッシュ、牧草など比重が軽く、かさばる積載物を効率よく運ぶために設計されたHycubeにとって、
このドライブシステムは、作業効率と信頼性を大きく高める重要な要素です。

オールシーズントレーラー
Trout River Trailerは、季節や天候に左右されない運用が可能です。
ダンプアップを必要としない構造のため、屋内や高さ制限のある現場でも作業ができ、1年を通して安定した稼働が可能です。
搭載されているベルトコンベアは、熱いアスファルトから氷点下−20℃の環境まで対応する耐久性を備えています。
さらに、積載物の種類に応じてベルトを交換する必要がなく、幅広い輸送物に柔軟に対応できます。
気候・場所・積載物を問わず、安定したパフォーマンスを発揮する万能性が、Trout River Trailerの大きな強みです。

※土砂を運搬する際は「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故防止等に関する特別措置法」に準拠する必要があります。
※日本仕様のセミトレーラーは3軸になります。