ご使用前に必ずお読みください。取扱説明書は車中に保管ください。
目次
1. はじめに
この度はテレスコ式ダンプシステム商品をお買い上げいただきありがとうございます。本取扱説明書では、取扱方法、点検、お手入れについて説明します。作業の安全と効率化のため、正しい知識と取り扱いが必要です。ご使用前に必ずお読みください。
2. 重要安全事項(危険/警告/注意)
取り扱いを誤ると、使用者が死亡または重傷を負う危険が切迫して生じることが想定される場合。
取り扱いを誤ると、使用者が死亡または重傷を負う可能性が想定される場合。
取り扱いを誤ると、使用者が傷害を負う危険性が想定される場合、または物的損害の発生が想定される場合。
※ダンプ架装部以外は車両メーカーの取扱説明書、ダンプ以外の架装品は各社の取扱説明書をご参照ください。
3. 使用者の責任・注意
- 使用者が変更になる場合は、本取扱説明書を車両につけてお渡しください。車両を譲り受けた場合は髙橋ボデーまでご連絡ください。
- 車両仕様の変更により、本説明書の内容が車両と一致しない場合があります。
- ダンプの取り扱いに関する法令は、道路交通法、道路交通法施行令、労働安全衛生規則に記載されています。
4. ⚠️危険|ボデー下立入禁止・点検時の安全措置
点検修理などの目的以外では、ボデーを上げた状態でボデーの下に絶対に入らないでください。
点検修理でやむを得ずボデーを上げた状態でボデーの下に入る場合は、下記を厳守してください。
- 車両を平坦な場所に停車
- 駐車ブレーキを確実に作動
- タイヤに歯止め(輪止め)
- ボデー内に積載物がないことを確認
- ボデーを最上昇させ、ダンプレバーを上げ位置でロック
- 安全棒(安全ブロック)を使用し、さらに安全支柱を併用してボデーを支える(安全支柱は10cm角以上の堅木相当品を左右1本ずつ)
- エンジン停止
ダンプアップは平坦地で行ってください。傾斜地・不整地・軟弱地盤でのダンプアップは行わないでください。
ねじれによる故障だけでなく、横転の可能性があり、死亡または重傷につながります。
積載状態でボデーを急激に降ろしたり、急停止しないでください。
シャシフレームの曲がり、搭乗者の転落・頭部打撲など重大事故につながる恐れがあります。
5. ⚠️警告|ダンプアップ時の注意
- 粘着質、排出しにくいもの、凍結した積載物の場合は急激なダンプアップをしないでください(引き抜き・横転のおそれ)。
- 積載物が片寄っている状態ではダンプアップしないでください(横転のおそれ)。
- ダンプアップ中/降下中/ダンプアップしたままでの油圧ホースカップリング・ケーブル等の切り離し作業は絶対に行わないでください。
- ダンプアップしたまま長時間放置しないでください(強風等で下敷き事故のおそれ)。
運転席を離れる場合は、PTO OFF、エンジン停止、駐車ブレーキ作動、ダンプレバー下げ位置、ボデー降下状態を厳守してください(労働安全衛生規則 第151条の11)。
油圧ポンプ標準回転数を守ってください。
- ポンプ標準回転数:約700〜1600rpm
- エンジン回転数:最大でも1800rpmで使用
- 作動油温が低いときは、低速で慣らし運転
- 冬季は急激な増速を避け、回転上げは緩やかに
6. ⚠️危険/警告|テールゲートの取り扱い
テールゲートロック装置を閉じたままダンプアップしないでください。
車両後転、投げ出し、下敷き事故につながる恐れがあります。必ずロック装置を開けてからダンプアップしてください。
横開きのテールゲートは、オープンストッパーで必ず固定してください。
固定しないでダンプアップすると、テールゲートがフリーになり危険です。ネジ等の緩みも確認してください。
下開き式テールゲートを開く場合は、クレーン等で吊りながら開いてください。人力で開かないでください。
手が滑る等により挟まれ事故の恐れがあります。開いているゲートとボデーの間には絶対に入らないでください。
7. 連結・切り離し/走行時/積載時の注意
連結・切り離し
- 連結/切り離し前にボデーを完全に降ろしてください。
- 連結走行前は、オイルカップリングのロック確認を必ず行ってください(油漏れ・重大事故防止)。
走行時
- 走行前にテールゲートが閉じ、ロックされていることを確認してください。
- 走行前にボデーが完全に降り、ダンプレバーが中立でロック、PTOがOFFであることを確認してください。
- ダンプアップした状態で走行しないでください(架線・架橋破損、危険、寿命低下)。
積載物
- 流動性のあるもの(ヘドロ等)は原則積載しないでください(ゲートに力がかかり走行中開放の恐れ)。
- 過積載は絶対に行わないでください(道路交通法 第57条の1項)。
- 積載物は左右均等に積載してください(偏荷重防止:労働安全衛生規則 第151条の10)。
- 土砂以外の積載物はロープ・シート・荷締め機等で確実に固定してください(労働安全衛生規則 第151条の100)。
- 積載物をボデーからはみ出して積載しないでください(ゲート開放・落下・不意のダンプの恐れ)。
HARDOX®450 / HARDOX®500TUF 製品に腐食性物質を積載しないでください。
腐食性物質を積載した場合、割れを生じる可能性があります。低pH・耐酸性物質の積載は HARDOX®HiAce やステンレス仕様をご相談ください。
8. 操作方法
8-1. ダンプレバー操作方法
- レバーロックを引くと、レバーの上げ下げができます。
- 上げ/中立/下げの位置でレバーロックを放すと、ダンプレバーがロックされます。
- 走行時はレバーを中立にしてください。
※レバー位置は仕様により変更されている場合があります。必ずご確認の上、操作してください。
(ダンプトレーラーの場合)
- HYVAのダンプシステムはエアー式のため、トラクタからのエアー供給が必須です。
- エアーチャックの装着を忘れず実施し、エアー漏れがないか点検してください。
8-2. ダンプアップ方法(概要)
- チェンジレバーをニュートラル(N)にする。
- 駐車ブレーキを確実に作動させる。
- 車両周辺の安全を確認する。
- 排出のためにダンプアップする場合は、テールゲート手動開閉レバーを「開き」にする(他のロック装置も開き)。
- クラッチペダルを踏み込み、PTOスイッチをONにする(ATはNまたはPでON)。
- ダンプレバーを上げにして、クラッチを徐々に離す(ATはPTO ON時点でボデー上昇の場合あり)。
PTOスイッチをONにした状態を2分間以上続けないでください。(オイルポンプ焼き付きの原因)
- 最上昇点手前ではアクセルから足を離し、ショックを防止してください。
- クラッチペダルは急激に放さないでください。
- ダンプアップ時は、ダンプレバーロックが「上げ位置」でロックされていることを確認してください。
(重要:リフトアップアクスル搭載のダンプトレーラ)
PTO ON信号をトラクタ側から出力し、トレーラ側で受けることで、PTO投入時にリフトアップが強制キャンセルされる仕様があります。信号線は7極プラグ2番(黒)を使用することが多いですが、仕様により異なる場合があります。PTO ON信号を出力しないトラクタでのダンプアップは横転リスクが高まります。仕様を確認の上ご使用ください。
8-3. ダンプ途中停止の仕方
ダンプ中はボデーやダンプ装置の下に絶対に入らないでください。
- ダンプアップ途中で停止:クラッチペダルをいっぱいに踏み込む。
- 下降途中で停止:クラッチを踏み込み、ダンプレバーを中立でロック。
- 途中停止状態を保持:クラッチ踏み込み → PTO OFF → エンジン停止 → ダンプレバーを上げ/中立で確実にロック。
8-4. ボデーの降ろし方
- ボデーとフレームの間に人や物がないことを確認してから降ろしてください。
- ダンプレバーを「下げ」にする(自重で降下、操作位置により速度調整)。
- 完全降下を確認後、レバーを中立へ → クラッチ踏み込み → PTO OFF。
- 手動開閉レバーでテールゲートをロック。
- 他のロック装置がある場合もロック。
※点検時でもダンプ操作は必ずダンプレバーで行ってください。切替弁等での直接操作は禁止です。
走行時はダンプレバーを中立、PTOスイッチはOFF。PTO ON状態でエンジンをかけたまま長時間放置しないでください(ミッション焼き付けの恐れ)。
9. 安全ブロック・安全支柱
ダンプアップした状態で点検等を行う場合は、必ず安全棒(安全ブロック)と安全支柱を使用してください。
9-1. 安全ブロック
- 駐車ブレーキ作動、輪止め設置。
- ダンプアップし、PTO OFF。
- 安全ブロックをシャシとボデーの間に入れる。
- ボデーをゆっくり下げ、ブロック上面とボデー床面が平らに当たることを確認して静かに当てる。
- ダンプレバーを上げ/中立でロック。
9-2. 安全支柱(10cm角以上の堅木相当品)
- 駐車ブレーキを完全に効かせ、輪止め設置。
- ボデーを上げてPTO OFF。
- 安全ブロックを入れ、安全支柱を左右1本ずつ立てる。
- ボデーをゆっくり下げ、安全支柱に当たる直前で止める。
- 支柱を滑らない位置に当て、地面に対して垂直に近づくよう固定。
- ボデー・地面ともに確実に固定され滑らないことを確認し、ダンプレバーを静かに下げ位置へ。
- 支柱が確実に支えていること、装置の動きが止まることを確認後、エンジン停止し、ダンプレバーを上げ/中立でロック。
※安全支柱使用時は、安全ブロック上面と少し隙間を取り、別途10cm角以上の堅木相当品をシャシとボデーの間に入れてください。
10. 自重計(装置搭載車)
- 手動開閉レバーを「閉め」位置にし、固縛装置等で確実にロック。
- 約50mmダンプアップ。
- 自重計ハンドルをゆっくり半回転開き、数値を読み取る(積載量の目安)。
- ボデーをゆっくり下げ、完全降下後ハンドルを完全に閉める。
- ハンドルは1回転以上回さないでください(油漏れ原因)。
- 操作はゆっくり行ってください(故障原因)。
- 測定以外の時は常に完全に閉めてください。
- 長期未使用でも固着防止のため月1回は開閉してください。
※自重計は過積載防止のための目安確認用です。商取引の計量には使用しないでください。
11. 定期点検・給脂・作動油
11-1. 定期点検(重要)
ダンプ性能を十分発揮させ、寿命を延ばし、安全で快適に使用するため、日常点検・整備が重要です。始業点検・3か月点検の他に、毎週1回の給脂を実施してください。異常は早期発見・早期処置が重要です。
11-2. 給脂
洗車後も必ず給脂してください。定期的な給脂はダンプシステムの長持ちにつながります。
給脂例:ドライブシャフト/ハイフィックス/蝶番/テールゲートヒンジ/手動・自動開閉装置/自動シート開閉装置シャフト部/ボールヒンジ部 等
※給脂できない箇所(蝶番パイプ等)は防錆潤滑材(例:クレ5-56等)を塗布。給脂箇所は車両により異なります。ダンプアップして給脂する場合は安全措置を確実に。
| 時期 | 容量 | 種類 |
|---|---|---|
| 週1回 または ダンプ回数100回 | 適量 | シャシグリス |
11-3. 作動油(給油)
- 作動油は指定のものを使用してください。新車納入時は「シェルテラス S3 VE 32」を使用(推奨)。
- 作動油の交換はお客様自身で行わないでください。(適正油量に調整しています)
- オイルタンクキャップ内のエアフィルタを点検し、目詰まりがあれば交換してください(粉塵の多い現場は特に注意)。
- 補給は同じ種類の作動油を補給してください。
不足の兆候(例):ポンプ異音/ダンプアップが途中まで/上昇中しゃくり/上昇後コクンと下降 等
| 時期 | 容量 | 種類 |
|---|---|---|
| 新車時または分解整備後/1年毎またはダンプ回数2,000回 | タンク容量に沿って(コーションプレートに記載) | 通常:ISOVG32/寒冷地:ISOVG22 |
11-4. 推奨潤滑油・作動油
- グリス:Shell stamina EP Grease #2(寒冷地仕様 #1)
- 油圧作動油:Shell Tellus S3 VE 32(デフォルト)
※異なる作動油を継ぎ足すと性能が著しく低下する恐れがあります。別の作動油を使用する場合は全量入れ替えてください。
12. 調整・交換部品
12-1. 調整(ノックオフバルブ等)
ダンプ角度を調整するノックオフバルブは重要部品です。出荷時に角度調整を行っています。デフォルト以外の調整はボデーとシャシの干渉が考えられ非常に危険です。調整ネジの緩み・エアー漏れは定期的に確認してください。
12-2. 交換部品(目安)
- テレスコシリンダ:5年毎にオーバーホール(各ステージのシール類は全交換)。
- 油圧ゴムホース:2年毎に必ず交換(ひび割れ・亀裂等があれば早期交換)。
- スペーサ(受木):摩耗・変形・縦割れがある場合は速やかに交換。
※自動シート搭載車は、自動シート減速機メーカーの取扱説明書もご確認ください。
12-3. 機能部品の取り扱い
油圧・駆動・操作系統の取り外しや交換は行わないでください。部品脱落や意図しない交換により、走行妨害・急降下等で死亡事故につながる恐れがあります。必要な場合はご連絡ください。
ダンプに関する装置は絶対に改造しないでください(故障・事故原因)。
13. 免責
- 本説明書に反する使用、改造、点検不備による損害について、当社は責任を負いかねる場合があります。
- 本説明書の内容は、当社とお客様との間で締結される個別の売買契約書、業務請負契約書、その他契約書の内容に準じるものとし、当該契約書の定めが本説明書の記載と異なる場合には、当該契約書の定めが優先して適用されるものとします。
- 安全上の注意を最優先し、異常時は直ちに使用を中止し、当社へご連絡ください。
14. お問い合わせ
株式会社高橋ボデー
〒424-0055 静岡県静岡市清水区吉川605
TEL:054-345-8385 / FAX:054-345-8851
15. 更新履歴
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2025年12月〇〇日 | Web版取扱説明書 初版公開 |
